演劇学校、劇団の同期だった高木裕平くん(以下、ゆーへー)と、片倉ダムで釣りしてきた。
彼とは年に数回くらい一緒に釣りをするんだけど、ボートは今回が初めて。
あ、声優の高木裕平くんのファンの方々ごめんなさい。
このブログ、普通にバス釣りのマニアックな話をするだけなんで…特に面白おかしい感じはないです(笑)
検索等で彼目当てにきた方、申し訳程度に彼の画像がちょいちょいあるから許してねw
今回の釣行は、「ゆーへーに初バスを釣らせる」ということを目的にしたものだった。
ゆーへーは管理釣り場ではバスを釣ったことがあるんだけど、自然界のネイチャーなバスを釣った経験がない。
そんな彼だが、釣りを続けていくうちに「管理釣り場じゃなくて、モノホンのブラックバスを釣りたい!」という気持ちが強くなってきたようだ。
以前から霞ヶ浦のオカッパリをメインにしているゆーへーだが、どうにも初バスが釣れない。
「初バス…どうしたら釣れるんや…」と凹んでいた彼だったが、僕が丁度レンタルボートにハマっているタイミングも合って、「片倉ダムで確実に初バスを釣らせてあげよう」と思い立ったのが今回の釣行だった。
朝はかなり冷え込み、水温は16℃台。
今回は笹川ボートから出船した。
ハイデッキや魚探、(無駄に)多くのタックルを目にした彼は目を輝かせて「スゲー!そんなのもあるんだ!」と楽しんでいた。
内心、「(俺、レンタルボート始めたばっかなんだけど…)」と後ろめたい気持ちを感じながらも、ドヤ顔を決めていく。
「まぁ俺、わりとガチでやってる方だからネ」などと上っ面だけの上級バサー振りをしつつ、7時前に出船。
僕が「楽しむ釣りと、釣果のみを重視する釣りと、どっちがやりたい?」と聞くと、彼は少々食い気味に「釣れる釣りがやりたい」と言った。目が大マジだ。
それだっだら、フィネス系の釣りを数多くキャストさせるほうが、魚が食う可能性が高いかな…と思い、とりあえずスモラバを投げさせた。
ゆーへーはガチの初心者なので、まずキャスティングを決めることから始めなければならなかった。
だから、サイドキャストで高精度なピンスポットに落とすような釣りではなく、振り子的なピッチングの釣りをメインにしていくことにした。
できる限りボートでポイントに近づき、スモラバのピッチングでキャストを繰り返す。
だが、ピッチングもなかなか決まらず、思ったようにキャスティングが出来なくて困っていた。
キャスティングは一朝一夕で身につけられるようなものではないのだけど、午前中にキャスティングの練習をみっちりしておけば良かったな…と、今になって思う。
ガチの初心者を釣りに連れて行ったのは今回が初めてではないのだが、オカッパリよりもレンタルボートのほうが、キャスト技術を必要とされると改めて実感。
とにかくキャスティングをしっかり決めれば、ブラックバスという魚はわりとあっけなく釣れる。
慣れるまでは辛抱だが、キャスティングが出来るようになってくると、その楽しさに病みつきになる人は多く、僕もその内の1人だ。
不慣れなピッチングに苦しむゆーへーと、まだまだ不慣れな操船にあたふたする僕。
とりあえず朝から昼までは本湖から上流まで回り、午前の釣りを終えた。
ここまで二人には釣果なし。
釣行前に「まぁ大丈夫っしょwスモラバとか死ぬまで投げてたら多分釣れるからw」と大口叩いていたにも関わらず、一匹も釣れていない。
この状況に焦り始める僕。
度々彼に「大丈夫?心折れてない?」と心のケア的な言葉を投げかけるが「大丈夫だよ〜。ボート楽しいから♪」とポジティブな返答が帰ってきたが、むしろ折れかけていたのは僕の方だった(笑)
しかし、たまに僕がふざけて「もし一匹も釣れなかったらどうする?」と訊ねると、彼は鋭い眼差しで「…それはちょっと…」という焦りの面影を垣間見せた。
そりゃあデコりたくないよね。魚釣りに来てるんだもんね。
僕みたいなバス釣りフェチは何度も釣りに行っててボウズ慣れしてるからいいけど、たまにくる初心者さんは「釣りたい欲」が高いから、やっぱ釣りたいよね。
僕は別にデコってもいいし、むしろルアー縛って1人SMみたいなスタイルをやりたいくらいなんだけど(笑)
「ゆーへーに一本釣らせてあげる」という目的が達成できないかもしれない、という焦りに飲まれそうになってた。
自分がデコるよりもメンタル的に追い詰められてくるという窮地に追いやられるという(笑)
スピンテールをひたすら投げさせるか?
スピナーベイトとかクランクで事故を狙うか?
そもそもキャスト決められるのか?彼には難しすぎないか?
そもそも僕自身が釣れてないのだから、「コレを使うといい」という主張もできない。
ガイドって超辛い…もうスピナーベイトずっと投げていたい…。
「絶対に釣らせてやる」と言った責任感に、自ら押し潰されそうになる。
☆
二人とも万年ダイエッターで、筋トレ初心者ってこともあり、昼食は肉とカップ麺なランチを済ませ、午後の釣りを開始。
彼は疲れていたようで、ボートの上で昼寝。
すげーラテンな姿に吹いたw
僕は時間が惜しかったので、今回は昼寝せずに再開。
初心者バサーは大体そうだが、今回はとにかくミスキャストとの戦いだった。
5キャストに1回はミスキャストがあったので、いかに引っ掛けさせずに、楽して簡単なキャストをさせるか。
僕はほとんどキャストせずに、彼のキャストのほうに気を配るように心がけた。
しかしまぁ釣れない。
やれどもやれども魚の反応がなく、手の施しようがない状況。
1人でいるときであれば、スピナーベイトやらクランクでヒャッハー!するのだが、船首に立つ僕が場を荒らしては食う魚も食わないんじゃないかと恐れ、終始フィネスを投げ続けていた。
釣行中、チラチラと彼の顔を見ていたが、気が付いたときには彼は顔が真っ白だった。
覇気というか、エネルギーが感じられない。
しかし、この真剣な眼差し。めちゃくちゃ集中しているのがわかる。
釣れない状況が続いているにも関わらず、不満や愚痴の一つも吐かない彼のメンタルはスゲェなと思った。
普段から大舞台でマイク握ったり、アフレコの緊張感とかの死線を掻い潜ってきてるから、メンタル力は相当あるんだろうなぁ。
僕が初心者の頃はすぐに心が折れたり、グチグチし始めたりしていたけど、彼は心がタフ。
俳優は心がタフでないとできない仕事だから、改めて関心した。
彼のこういう姿勢を見習いたいものだ。
しかしながら、釣れないものは釣れない。
2人ともガチで真面目に取り組んでいるのだが、マジで魚の反応がない。
釣れない時間が続いて集中力が切れて始め、むだな妄想に意識を持っていかれる僕。
—マズイ…このままでは僕のガイド人生が終わる(※やってません)。
「多くの人はヒットルアーを探す傾向にあるんだけど、実はそうじゃないんだよね」とか上手い人っぽいコメントをほざいていたにも関わらず、一匹も釣れていないではないか。
彼は確実に、僕のウデを疑い始めている…危ないぞ…これは危ない…—
こんな感じで冷や汗をかき始めていた。
そんな時、ゆーへーが「あっちの方はどうなの?」と急に言った。
そこは僕も気になっていたエリアだったが、「芝刈り機の音がうるさいから行きたくない」という怠惰な理由で遠慮していた場所だった。
これまで、知識人ぶって様々なエリアやアプローチを試みたが反応がない。
だったらもう、彼の閃きを信じてみるしかないんじゃないか。
残り時間が1時間を切っていたが、新たなエリアに入ることにした。
彼が撮ってくれた。いつの間に…。
僕自身がフィネスをやり続けるのが辛かったため、ストレス解消で「たぶん釣れないけど、とりあえず投げさせてよ」と、ラストのエリアでクランクを投げ始めた。
ディスタイルから新しく出たクランクベイト「クロールアップ 」。
小粒で可愛いし、マジで引っかからない。
ウィードさえ引っかからないし、タイトなアクションでシャッドみたいなクランク。
「やべぇ、これ釣れるヤツや」と調子に乗りながら、割と速めのテンポで巻き、リアクションバイトを狙っていく。
すると、何と数投でバイト。
同じエリアで立て続けにバイトがあったが、ピックアップ直前にバラし。
なるほど、こういう事だったのか…と、終わり間際になってようやく腑に落ちた。
連続のバイトでいくつかのことを確信した。
基本的にはバスにやる気がなく、2〜4mラインのブレイク少し上にサスペンドしている感じ。
あるいは、水温が上がってきて魚が浮いてきた。
そこにフィネス系を入れても反応が鈍かったってことは、リアクション系の釣りじゃないと、少なくとも僕にとっては食わせられないっていうような状況だった。
とりあえず釣れる可能性が高い釣りが把握できたので、残り1時間、ゆーへーにはヒットしたルアーを投げてもらうことにした。
残り時間が少なくなってきたので、レンタルボート店に戻りつつ、釣れたエリアを含めて流して行くことにした。
「残り時間5分前でデカイ魚釣る人もいるから、最後まで諦めないでやり切ろう」と彼を励ましつつ、僕はスピナーベイトで流す。
すると、やはり先ほどと同じようなエリアとレンジ付近で一本追加。
残り時間5分前くらい。
最後まで投げ切ることの大切さを、改めて実感。
結局、終わりギリギリまでルアーを投げ続けたが、僕は2本、そしてゆーへーは0本でフィニッシュ。
何とも厳しい結果に終わってしまった…。
スモラバで12本釣っていた猛者がいて、僕のガイド性能の悪さに自信を失いかけるw
ガイドの能力が低くて、彼には悪いことをした。
すまねぇ…すまねぇ…(>人<;)
帰りの車の中で反省会をしつつ、海ほたるで夕食して解散した。
今回はゆーへーに魚を釣らせてあげることは出来なかったが、僕自身も色々と学ばせてもらったことがある、有意義な釣行になった。
初バスを釣るまで僕は1〜2年くらいかかったが、その間なぜ辞めることがなかったかというと、そこには”友達の存在”があったから。
友達の存在っていうのは案外重要で、やっぱ孤独に1人で黙々とやるよりは、知り合いが1人でもいると心が折れないで続けられる。
だから、今後も僕自身も成長しつつ、高木裕平くんのような初心者バサーをサポートしていければいいな、と思った。
帰りの車の中で、初心者の釣り人に釣らせてあげるにはどうしたらよいか、色々と考えていた。
やはり、キャストが決まらないと始まらないっていうのが基本だと思った。
やっぱ練習しないとキャスティングって上達しないんですよね。
ギター初心者がたった数時間でギターソロを弾けないのが当たり前なのと同じように、キャスティングも技術が必要。
初心者バサーが魚を釣りたいなら、「とにかくキャスティング精度を高めてください。まずはそこからです」っていうのが本音なのです。
ギターがコードを押さえられないと演奏できないのと同じように、釣りのキャストが出来ないと、思ったような釣りが出来ないんですね。
キャストを決めるっていうのは簡単ではないんだけど、決まるようになるとホント楽しいから!マジでめっちゃ楽しいから!
バスケでいうシュート、サッカーでいうシュート、野球でいうバッティングとか投球みたいな感じ。
出来るようになると、ホント脳汁出るくらい楽しくて病みつきになるから、まだバスフィッシングやったことないって人はぜひトライしてもらいたいです。
現在のバスフィッシングは簡単に結果が出る趣味ではないんだけど、やり込んで行けば必ず釣れるようになるから、初心者の方は諦めないで続けてもらいたいです。
そして、上手い人にどんどん話を聞いて、自分をレベルアップさせていってほしいです。
僕でよければ、わからないことがあれば全然教えますから、気軽に質問とかしてもらって構いません。
みんなで、これからのバスフィッシングを盛り上げていきましょう。
バス釣りは、ハマれば本当に楽しい遊びですから。
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