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【詩】”金のなる木”に憧れて

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苗を1つ手に入れた

 

「これでアナタは上手くいく」

店の売り子が言っていた

 

僕は苗に水を与え 声をかけた

「いいかい、君は僕のために頑張るんだ」

 

僕は毎日 水をあげた

 

春風が強く吹くときも

夏の日差しで汗かくときも

秋の虫音が響くときも

冬の空気に震えるときも

ずっと、ずっと、毎日 水をあげ続けた

 

けれども苗は育たなかった

 

「こんなはずじゃなかった」と苗を罵った

苗は何も言わなかった

 

僕は後悔した

買うんじゃなかったと自分を恨んだ

 

 

そしてまた 新しい苗を手に入れた

そしてまた 僕は水をあげて育てた

 

新しい苗は立派に育ち

僕にたくさんの幸福を恵み 富をもたらした

 

ある冬の晩 新しい苗が言った

「そろそろ私は 役目を終える」

そう言って 新しい苗はしぼんでいき ポキリと折れた

 

 

僕は後悔した

買うんじゃなかったと自分を恨んだ

 

 

古い苗が言った

「私はあなたを幸せにできないけれど、一緒にいることならできる」

 

僕はまた 古い苗に水をあげ始めた

古い苗は育たなかった

僕を金持ちにもしなかった

 

しかし 古い苗が枯れることもなかった

古い苗は 今も隣に居続けている

 

 

 



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